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TRATTORIA Capriccio(トラットリア カプリッチョ)-自然の中の一軒屋★本格イタリアン-

純粋な食材で作られた純粋なお料理を、ただ純粋に味わう TRATTORIA Capriccio

「TRATTORIA Capriccio(トラットリア カプリッチョ)」があるのは、姫路循環器病センターに向かう道の途中。イタリアの国旗が目印の、緑に囲まれた石造りの一軒家です。


外観

ハーブ

──お店の表、見えるところに野菜を育ててらっしゃるお店って、珍しいですね。

オーナーシェフ「『コレを作ってんねんで』っていう、ある意味お客様へのアピールというか。例えばディナーでハーブが足りひん時、厨房から走って出て行って、取って来たり」

ひろこ「凄い安心を与えてますよね」

オーナーシェフ「そうですね、農薬は絶対使ってないし。今の食事っていうのは怖いじゃないですか。僕らもできるだけ知ってるトコから仕入れして。残りは本当に信頼の置ける八百屋さんにお願いして、仕入れの時に『これ、ドコの?』って絶対訊くんですよ。できるだけ減農薬のものを持って来て貰うようにもしてるんです」

──仕入れるお野菜は、誰が作ってるか分かってるものを選ばれてるんですね。そんなに味に違いが出ます?

オーナーシェフ「全然違いますね。やっぱり甘みが違います、確実に。それから僕らも使ってて安心ですし」

──化学調味料、使ってないってお聞きしてます。

オーナーシェフ「それは当たり前のことだと思うんですけど、それを守れてない店も多いですよね。やっぱりお金貰ってるんやから……絶対美味しくないんでね、調味料なんか使っても。スゴイ味付いてるっていうのは、それこそ化学調味料であったり、塩とか胡椒の味だと思うんですよ。塩味を付けることによって味を誤魔化してるんだと思うんですね。本来の魚や野菜の美味しさって、優しくて甘い味であったり……ね。だから僕らは、素材の旨みを引き出すためだけの、最低限の塩と胡椒ぐらいしかしてない。胡椒とかもほとんど使わないんで、ほとんど塩のみ、って感じです」

──それって、ホントに素材がよくないと、できない調理ですよね。

オーナーシェフ「できないですね。例えば、美味しくない人参を使っても、やっぱりそこまで出ないですよ。子供が『人参キライ』って言うのは、家で美味しくない人参で、美味しくない調理の仕方をしてるから。美味しい調理の仕方をしたら、多分食べられますよ」


生産者のわかる野菜だけを厳選

UMAG取材陣「人参やったら人参、玉ねぎやったら玉ねぎの、1個1個のその素材の味をしっかり分かってなかったらできないことですよね」

オーナーシェフ「そうです。仕入れた時、確実に生で食いますからね」

ひろこ「えぇーっ!」

オーナーシェフ「食べて、『あぁこれやったら、このぐらいやな』、とか、『このほうれん草やったら、生で食べよう』とか、『これはちょっとだけ火を通す』とか。食べないと、僕らも味分からないんで。同じ人が栽培してても、日光の当たり具合とか雨の量とかで変わってくるから、絶対毎回違う味になるんです」

UMAG取材陣「ホールに出てこられて、お客さんひとりひとりに声を掛けられるんですか?」

オーナーシェフ「してます。基本、厨房で料理作ってるんですけど、手が空いてたらやります。お客様が何か残されとったら、『何があったんやろな』って思うんで、理由を訊いたりします。メニューで悩んでたら、『どんな料理がお好きですか?』、『こんなんあるから、こんなん作りましょか?』とかって」

UMAG取材陣「お客さんと一緒に作り上げてる店、ですね」

オーナーシェフ「店って、自分らだけでできないと思うんですよ。お客様がおって初めて『お店』じゃないですか。お客様と一緒に、お客様が気ままに来られる店にしたいですね」

ひろこ「お客さんの顔を見て、どんな顔をして食べてるのか見られるのって、凄い幸せですよね」


ガラス張りの厨房

オーナーシェフ「そうですね。そうしないとホントの料理ってできないと思うんですよ。だからお客様が入って来るのが見えるよう、カウンターをガラスにしてて。そっから見て、『あ、怖そうなオッチャンやな~、どうしよう』とか思ったり(笑)」

ひろこ「あはは(笑)」

オーナーシェフ「そういうオッチャンに限って、『美味しかった、また来るわ』って言って帰りはるんですけどね」

──お話をお伺いしてて、食事は「する」ものというより、「楽しむ」ものだという印象を受けました。

オーナーシェフ「そう、やっぱり楽しいもんだと思うし、作ってる僕らも楽しまないと、絶対お客様だって楽しくないと思うし。僕は、お客様は全て家族だと置き換えてやってるんですよ。年配の人が来ればおじいちゃん・おばあちゃん、両親ぐらいの人が来たら自分の両親、僕らと同年代の人が来たら妹であったり兄貴に置き換えて。そしたらやっぱり、丁寧な接客ってできると思うんですよね。料理に関しても、自分の家族が来たらちゃんと作ろ、って思うじゃないですか。それなんですよ、僕の接客の原点っていうのは。例えば、糖尿の人でカロリーを気にされてるのであれば、あっさりした料理にしようとか。そういう、ひとりひとりに合わした料理を作りたいんです。お任せコースであれば『いつもやったらコレ出すけど、あのお客様やったらコレじゃなくて、こうした方がいいんじゃないか』。そういうの考えながら、そのお客様お客様に合った料理を出したいんです」



毎日変わる黒板メニューが充実

──ひとりひとりにあったお料理……それは、リクエストに応じてくれるってことですか?

オーナーシェフ「もちろんです。『コレが食べられへん』とか、『コレ、好きやねん』とかね。今日仕入れた魚介は表の黒板に出してるんで、『このスズキ、何かできへんの?』って言われたら、『どんなんしましょ?』って。言ってくれた方が、『よし、挑戦受けちゃろう』って思いますね」

UMAG取材陣「作る人のこだわりとかがあって、あんまりそういうこと言ったらアカンのかなぁ~って思うんですが……」

オーナーシェフ「全くないですね。お客様に『こんなイメージの料理、できひん?』って言われたら、イタリアンからは外れない中で、できる限り頭で考えて。その方が作り甲斐があります。それで『ウマイ!』って言われた日にゃあ、『やったった!』って思いますね。『どないや~!』とか(笑)」

──お店自体が家から離れた家の台所、みたいな……。お母さんに「コレが食べたい!」って言う感じですか?

オーナーシェフ「そうそう、そんなん! 僕はね、TRATTORIA(トラットリア:大衆食堂)って付けてるんですけど、イメージは昭和の家ですよ。僕らよりもっと上の世代って、ビニールハウスもそんなになかったやろし、海外からガンガン魚入れてなかったと思うんですよ。だから当たり前のように、旬の野菜や旬の魚を、旬の時に食べてた。農家やったらちぎってきたきゅうりを氷水で冷やして、それを丸かじりするとか。それの延長線です、それをイメージしてるんです、僕は。今はスーパーに行ったら何でも普通に売ってるから、旬っていうものがないじゃないですか」

できるかぎり黒板で出してる旬のものを食べて欲しいから、固定メニューはできるだけ縮小してるそう。その数は多いですから、選び応えもありますよ~。


カプリッチョランチ(1,700円):前菜盛合せ、本日のスープ、プリプリ海老と白菜のトマトソーススパゲティ、自家製ハーブでマリネしたローストビーフ・粒マスターソース、ショコラのシフォンとパンナコッタと柿、コーヒー

オーナーシェフ「これは『カプリッチョランチ(1,700円)』。内容は、前菜・スープ・パスタ・肉料理または魚料理・パン・デザート・飲み物です。パスタとメインが選べます」

──これは、内容は変わるんですか?

オーナーシェフ「気紛れで変わります、ある材料でしか作らないんで。極端な話、やってて途中で変わります。例えば今日やっとって『あぁ、もうなくなった! ほんじゃ、次コレでしよう』って」

──じゃあ、隣のテーブルのお客さんと同じランチを注文してても、それと同じ前菜が出てくるとは限らないってことですか?

オーナーシェフ「そうです。スープもその日その日で違ったり、途中で変わったりもします。今日の丸大根は、たつのの岩田さんの畑の丸大根。柿も岩田さん家のやな~」

「TRATTORIA Capriccio」のスタッフの中には、パティシエさんがいらっしゃるとのこと。最後のデザートまで期待大、ですね。


オーナーシェフと読者モデルのひろこ

UMAG取材陣「私、食べること自体を当たり前に思ってたんだけど、ここに来て、当たり前の旬の素材を使って、当たり前の味を引き出してる料理を食べたら、『食べることって幸せなんやな』って、思える気がします」

オーナーシェフ「食べたくても食べられない人もおるからね。僕ら、生きてるもんとか使うじゃないですか。殺す時に絶対、『ごめんね、美味しくするから』って言いますから。やっぱり、ひとつの命を削るわけですから」

ひろこ「どうせ殺されるんやとしたら、ホントに美味しくして欲しい、絶対して欲しい(笑)」

オーナーシェフ「美味しくするから、許してね、みたいなね(笑)」

──私、普段からご飯は残すのがキライで、できるだけ残さずに食べてたんですけど……今日からは「もう、これから絶対残さんとこ!」って思いました。

ひろこ「私も~」

オーナーシェフ「えっとね、僕が店を開けた理由。普通の人って、当たり前に生きてるじゃないですか。でもそれって、当たり前じゃない。だからこそ今をどう生きるかやと思うし、自分ができることに一生懸命打ち込みたいんです。今、今まで生きてきた中で、一番しんどい。でも一番楽しい。自分の好きな仕事をさせて貰えてる、ってことに感謝してます。なんて幸せなんだと思いますね」

命の重さを知っているからこそ、料理人として食材も疎かにできない。そういうところからも、「TRATTORIA Capriccio」のお料理が生まれている気がしました。


パティシエ

オーナーシェフ「スタッフも含め、僕は家にしたいんですよ。お父さんであったり、お母さんであったり、お客様全員が家族なんです」

ひろこ「お客さんへも『おかえり!』みたいなカンジで?(笑)」

オーナーシェフ「そう言いたいですね~(笑)。第2の家に帰ってきた、っていう風に言われたいです」

──そこまで言って貰えたら、また来たくもなりますしね。

ひろこ「うん、そんだけやっぱりお客さんひとりひとりを、本人が思ってるよりも深く考えてくれるお店って、なかなかない」

オーナーシェフ「そりゃあお客様として来て欲しいですけど……極端な話、『喋りに来たわ』ぐらいでいいんですよ」

ひろこ「『会いに来たよ~』って?」

オーナーシェフ「そうそうそう。そんなんでいいんですよ。アットホームなお店にしたいんです。お客様と仲良くなって『兄ちゃん、またワイン頼むわ~』って言って貰える、そういう関係になれたらいいなぁ、全てのお客様と」

取材後、撮影したピザと2種類のパスタを取材陣みんなで頂くことになりました。オーナーシェフさんが「姫路一美味しい」と自負されるピザは、表面はカリッと香ばしいのに、中はもっちりとした食感。生地だけでも、そのまま充分食べられます ソースのトマトが驚くほどジューシーで、フレッシュトマトを丸かじりしているかのよう。パスタに入っていた白菜に対しては、ただただ「白菜って、こんなに甘いんや……」と唸らされるばかり。おっしゃる通り、素材の旨みを損なうような味を感じません。特にクリームパスタについては、クリーム特有の重さが感じられず、なめらかでコクはあるのに後に残らない味なので、クリーム系をあまり食べないというUMAG取材陣にも大好評でした!


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ひろこの感想

当たり前なことで1日1日過ぎ去っていくのが、当たり前じゃないことの積み重なりで過ごせてるんやな、っていうのを教えて貰った気がします。お客さんとして食べに来た時に、ホンマの意味でオーナーさんやお店の人の温かさを感じられるんやろうなぁ、って思いました。

ピザはカリカリ・もちもちでした 普通ならチーズで味が全部隠されるっていう感じなのに、素材の味がしっかり出てるのがすごい不思議。冷めても美味しかったです。

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