──「ヘッドスパ」と「ヘアエステ」って、違うんですか?
チーフ「お店によっても違うと思うんですけど、『ヘッドスパ』はマッサージをするだけのようなイメージをお持ちの方が多いですが、ウチのお店のやり方は、髪の毛にも頭皮にも栄養分を入れて、東洋医学に基づいたマッサージを行っています」
──こちらの「ヘッドスパ」の手順を教えてください。
チーフ「事前に、『ヘッドスパ』用の簡単なカウンセリングシートを、お客様ご自身で書いて頂きます。これを見た上で、髪の毛と頭皮の状態を診断させて頂き、『今のお客様の髪の毛の状態はこうなので、ホントはこうだと思いますよ』というようなお断りをさせて頂いてから、お客様の髪と頭皮に合ったものを選ばさせて頂きます。この組み合わせは約300通りあるんです」
──なるほど、悩みや状態に応じたシャンプーやトリートメントなど、ひとりひとりに最適なアイテムを使って貰えるというわけですね。今日のもえサンには、どんなものを使われますか?
チーフ「特に頭皮のトラブルはなく、髪質がチョット太くて広がりやすいので、髪を柔らかくするシャンプーと、水分がたくさん入ってるトリートメントで髪を集中的にケアして、マスクでコーティングします。髪の毛に必要なたんぱく質を入れて、その効果を高めてくれるトリートメントを使い、髪の毛を柔らかくしっとりさせる成分が入った、流さないトリートメントで仕上げます」
もえ「細かいですね……。このヘッドスパをされるお客さんの割合って、どれぐらいなんですか?」
チーフ「ウチのお店のほとんどの方……3分の1は絶対してますね。新規の方はヘッドスパだけっていうのも多いです。髪も充分キレイになるトリートメントやヘアエステというメニューもあるんですけど、『ヘッドスパ』の方が効果が高いんです。お店によってはヘアエステだとマッサージがなくて、髪の毛をキレイにするだけのものだったりするんですけど、ウチのお店は髪も頭皮もキレイにするので、癒されながらキレイになるっていう意味でも、ヘッドスパの方がいいですね」
もえ「スゴイ、気持ちいいです……。結構しっかり指圧するんですね」
チーフ「そうですね、かなり血行がよくなります。45分コースだと、これを大体20分ぐらいします」
キメ細かな泡のトリートメントが髪になじんでいきます。こうやってマッサージして貰いながら、頭皮ケアとヘアケアができるなんてシアワセですよね~。ブローしてスタイリングが終わったもえサン、心なしかツヤが倍増してません?
もえ「手触りが違う……ツヤツヤです♥」
店内は広く、それぞれのカットスペースやウェイティングスペースが目線のあたりで仕切られていて、圧迫感を感じないレイアウトになっています。お次はこの「kamikiriya」について、オーナーさんにお話をお伺いしました。
もえ「シャンデリアとか、鏡も可愛い……鏡の上に、密かに薔薇とか置いてあったり」
オーナー「ごちゃごちゃしすぎんように、でもチョット何かがある、っていう。『ゆっくりできる』っていうのが一番。基本的に個室感があって、でも狭すぎずに開放的でゆっくりリラックスできる雰囲気にしています」
──そもそも、お店の名前って、凄くストレートですよね。こんなにお洒落な雰囲気なのに……。
オーナー「そう、敢えてギャップを作ったんです。迷いました、格好いい名前と。でも『格好いい名前って、どこでもあるよな~』って思って。ただ、このまま漢字にしちゃうと散髪屋っぽくなるかなぁ、と思ったんで(笑)、ロゴで何とかデザインしたら……このロゴいい!ってなって」
もえ「朝は何時から開いてるんですか?」
オーナー「朝は早めの8時半から19時までやってます。普通に、自分が早起きなんでね。大抵のお店って、10時オープンとかじゃないですか。でも朝、結構時間があって勿体無い、どうせ起きてるんやったらやろう、って(笑)」
──このモニターは何ですか?
オーナー「これはキッズルームのカメラと繋がっていて、子供さんが保育士と一緒に遊んでいたり、子供さんが今何をしているかっていうのが、お母さんがモニターを見ながらカットなどができるようになってます」
もえ「保育士さんがいると、安心感が違いますよね。これは予約制ですか?」
オーナー「はい、予約制で無料です。1~3歳ぐらいの子供さんを持つ若いお母さんから、『子供がいるから、あんまりお店に来られない』ってよく聞いてたんで、キッズルームを設置したんです」
──キッズルームがあるだけでなく、モニターまであるのは親切ですよね。
オーナー「あとね、地面を掘って炭を入れてるんですよ、店の真ん中に。これをすると土地が浄化されて……いい場所ってありますよね、神社とか、空気のキレイな感じの。そういうのを作れるんですよ」
──それって、お客さんにはまず、分からないことでは?
オーナー「分からないです、感覚的なことなんで。特に、人が集まってくるような、そういう場所になるというか。まぁ、それを信じる信じないは……(笑)。ちょっとでもリラックスできるようにならへんかな~と思ってね。それと水ですかね。汚れが付きにくかったりだとか、そういう水。美容院ができることっていったら限られるんですけど、エステじゃなしに、アロマのチカラ、自然のもののチカラっていうのを……そういうものも提供できたらなと」
──だから、美容院には珍しいアロマリラクゼーションのメニューがあるんですね。
オーナー「僕ね、別に美容師にこだわってないんですよ、変な話。そんないいものをたくさん提供できたら。ただお客様の喜ぶ顔が見たい、っていう感じですね。それで美容師やってるんです(笑)」
──最後に、今後の展開を教えてください。
オーナー「これからどういう流れになるかは分からないですけど、もっとたくさんのお客様をキレイにしながら、それをサポートできるような店にしたいですね」
この「kamikiriya」の黒塗りの外観とは打って変わった内装には、いい意味で期待を裏切られました。子供さんを預けられて、カット・カラー・ヘッドスパ・アロマを一通りするお母さんも多いとか。1日で全身のリフレッシュができるヘアサロンなんて、なかなかないのでは?
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今、ヘッドスパの気持ちよさが残ってます……。「髪の毛触ってみてください」って言われたんですよ、いつもとぜ~んぜん違ってました(笑)。マッサージして貰ってるのも気持ちよくて、尚且つ髪の毛が凄いキレイに、見た目からもキラキラしてて。それと、いろいろ質問したら、1から10まで詳しく返ってくるのにはビックリしました(笑)。
こうやって取材で初めていろんなところに注目してみると、入り口のところにスタッフさんの日記があったりだとか、同じ壁の色なのにそれぞれの壁の仕切りのコーナーで全然雰囲気が違ったりだとか、落ち着いた雰囲気のところも明るいところもあったりで、そこも『お客さんに気持ちよくなって貰いたい』っていう、オーナーさんのおっしゃってた通りの造りになってました。
キッズルームも、まだ子供さんが小さいと、どうしても一緒に連れて行かないといけない状況だから、そういう人にとっては、こういうサービスがあるのとないのとでは有り難味が違うんだろうなぁと思いました。それに、ヘッドスパだとかアロマだとかの癒しがあるっていうのも、魅力のひとつなのかなぁ、って。髪を切りながらすぐそばにモニターを置いてくださってて、美容師さんと楽しい話をしている最中でも自分の子供が何をしているのかっていうのがすぐに分かるから、一緒にいるのと変わらないような……これは絶対、安心感を与えるなぁって思いました。
【1982年生 姫路市出身】
18歳で東京に上京。山野美容専門学校卒業後、銀座のサロンに勤務。めざましテレビや雑誌の撮影、メイクなど最先端の技術を勉強し、2008年に地元姫路に戻り現在kamikiriyaのチーフスタイリストとして活躍中。
【1978年生 姫路市出身】
2006年にkamikiriyaをオープン。
過去に数々のヘアーショー、コンクールに参加し、受賞をはたす。姫路~神戸間の美容室に対してカット、カラーリングの講師活動も積極的に行いながら髪をキレイにすることをモットーに癒しの空間で、自らもスタイリストとして活躍しながらkamikiriyaの経営を行っている。