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水軍料理 つねさ-水軍料理(居酒屋)-

今もなお、発展し続けるパンの文化を支えていく 水軍料理 つねさ

三宮駅前より南へ徒歩数分、ちょっと路地に入った場所にある「水軍料理 つねさ」。すぐ隣には、このお店を見守るようにお稲荷さんが鎮座しています。お店の暖簾をくぐるとカウンターがあり、2・3階はお座敷になっていて、昔ながらの雰囲気が漂うお店です。


クエ ひれ酒(400円)

──水軍って、戦国時代に海上で戦をしてた軍隊のことですよね。こちらのお店では、その水軍が実際に作っていたお料理が食べられるんですか?

大将「そういうのもあります。例えば、魚の煮付けとかね。瀬戸内の漁師料理っていうんですか、漁師が作って食べるような方法で魚を煮付けたりもします」

──そういったお料理も食べられる居酒屋さん、ということですね。となると、お魚料理がメインですか?

大将「もちろん瀬戸内海を中心にした魚中心ですが、瀬戸内海だけにこだわるつもりもないんです」

もえ「他に珍しいメニューとか材料とかって、ありますか?」

大将「関アジ・関サバは珍しいですよね。ただ、漁に出ない場合と、漁に出ても獲れない場合と、運べない場合と、3通りの理由によって届かない場合があるんですけども。あとはクエの刺身、鯨、それから干物もやってるんですよ。アジとかイカとか、赤ガレイとか鰯とか……自分で開いて店内で干してます。それを見たお客さんから「その干物をあぶって」とよく注文してくれるんですよ。」

もえ「お酒の数も多くて……あ、お店の表に、ひれを乾かしてるのが見えました」

大将「フグのひれ酒はどこでもやってるんですけど、ウチは、クエのひれ酒もやってるんです。これ、クセがありますけどね」

──「クエひれ酒」と「ふぐひれ酒」。呑み比べてみるのもいいですね。

大将「あとね、ウチには応援歌があるんですよ」

もえ「応援歌?!」

大将「『つねさ』の応援歌があるんです、お客様のカタヤマさんが作ってくれてね。まぁ聞いてください、見てください」

──これはテープと、分厚いファイル……歌詞がビッシリ書かれてますね!

もえ「えーっと……『仕事の愚痴も悩みも 置いて帰れるそんな店 物語はつねさから』。わぁ、スゴーイ!(笑)」

──リクエストがあれば、大将さんが歌ってくれるんですか?

大将「歌詞カードがあれば歌えます。こっちはもう、歌いとうて歌いとうて、しゃーないんですよ。『もうエエわ、もう分かった分かった』って言われるまで……でもね、1番から555番まで歌い切ると、9時間かかるんです」

もえ「(笑)。でも嬉しいですね、こんなプレゼント」

大将「嬉しいです。宝物です」

テープも聞かせて頂きましたが、何度も何度も聞かれたんでしょうね、磨り減っていて音がチョットゆがんでいました。

もえ「常連さん、多そうですね」

大将「多いですよ。毎年ね、みんなで餅つき大会をしてるんです、年末にね。……写真もありますよ、これこれ。子供もよんでね、店の前でやります。飛び入り参加もオッケーですよ」

──そんなイベントって、そう簡単にはできないですよね。

もえ「しかもココ、三宮……(笑)」

そういったお客さんのためのイベントの他にも、お客さんがサプライズで企画してくれたという、お店の5周年祝いや大将さんのバースデーパーティの写真など……数え切れない数の写真は、大将さんがすぐ手の届く場所に置いてあり、ひとりひとりのお客さんへの思い入れが伺えました。



上:幕の内弁当(650円) 中央:ミニ会席(650円)
下:握り(800円)

──これはランチですか?

大将「ええ、人気の『幕の内弁当』と『ミニ会席』です。何種類かあるんですけど、全部650円です。お昼はね、どんどんお客様が来てくれるんですけど、もうパニックなんです。例えば4人で来てくれて、3人食べ終わってあとの1人はまだ料理が出せてなかったりとか、待たせた挙句、注文してた『幕の内弁当』が売り切れてたとか。そういうアクシデントとかがあったりするんでね、その分を差し引いて『まぁ650円で勘弁してください』というものなんです」

もえ「ご飯の量に、ちょっとビックリしました(笑)。それでも、この三宮の駅前で、この値段は安いです!」

──この握りは、おいくらですか?

大将「これで800円です」

もえ「安い……」

大将「これが標準です。仕入れプラス気分次第で、焼き白子を1カン入れたりね、アンコウの肝の握りを入れてみたり、この海老が車海老になったり」

もえ「全体的に、どれもお安いですよね」

──どうやって、こんなにお安く提供できるんですか?

大将「ひとつは……ぼったくってない(笑)。あとは、ご覧の通り、店もあんまり飾ってないですよね。料理も飾りを省いて、必要最低限のモンだけを盛り付けて、必要ないモンには経費を注ぎ込んでない。逆に言うと、それが普通じゃないの、っていう気もするんですよ。和食っていうのは、器とかで魅せるのも値段のうちっていうのもありますけども、我々はそういうのを目指してない。それこそ、飾らなくともモノがよければいいんじゃないの、その分値段を安くできたらお客様に喜んで貰えるかな、って」

もえ「食べるっていうこと自体、人と人とのコミュニケーションの場ですよね。こういうお店でご主人と喋ったりすることによって、お料理もいつもと違う味になるっていうか。美味しく食べられて、お話して、楽しくなって満足して帰ることができる」

大将「ええ、僕は能書き多いんですけども、料理にはあんまり能書きつけないですね。それよりももっと、心意気とかが大事。だから、『お前、口下手やな~』ってよう言われるんですよ」

もえ「ええっ(笑)、そうですかね~?」


人情が厚い大将

大将「同業者から『旅行者や出張で来たお客様なんかには、量が少なくて結構高いモンを勧めれば?』って言われるんです。ある程度お金持って来てるし、二度と来るワケじゃないから、って。でも、できないんです、僕。そういうトコが『不器用というか、商売下手やなぁ、損しとんなぁ』って言われるんですけども、僕はそれでエエんです。遠方のお客様もね、ホームページに『美味しかったよ~』って書き込みしてくれるんですよ。それとか、「出張で今回だけ神戸に来たんですよ」ってふらりと寄ってくれたお客さんが会社に帰って、神戸に出張行くんやったら、「つねさはええで」ってその会社の同僚や友人に口コミしてくれてたりして。実際にその方の紹介で来ましたって言う人が何人か来てくれたんですよ。このときは最高にうれしいですよ。真面目にやってて良かったと思う瞬間です。」

大将さんは大変歴史に詳しく、取材中も水軍についてのウンチクも教えて頂きました(歴史好きにはたまらない内容ですよ!)。常連さんとの思い出なども次から次へ尽きることなく、それなのに一言一言に力強さを感じます。その話題には必ず「人」が関わっているから、でしょうか。商い以前に、まず人情ありきというところこそ、マニュアル通りのお店には存在しない、「水軍料理 つねさ」の魅力です。


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もえの感想

私、水軍料理って聞いたことなかったんです。だから、最初はお料理や具材のこだわりとかの方に興味があったんですけど、話を聞くうちに、リーズナブルなお料理の理由だとか、ご主人の凄い熱い思いとかも、いろいろ聞かせて貰えて。終わった頃には「あー、美味しかった」っていうのと「あー、面白かった」っていうのがあって……常連さんが多いワケが分かったような気がしました。
ランチも各650円っていうのに、まず驚きました、量と質で。神戸に友達がいるので、遊びに来た際には一緒に来たいと思いました。


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